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【祝】ひまわり8号正式運用開始!7号との違い

七月七日、七夕ですね。たまたまなのか、日本の最新の気象衛星、ひまわり8号が本日の11時から正式運用を開始しました。

このひまわり8号は気象衛星として世界最先端の技術が詰め込まれ、7号とは一線を画した完成度に仕上がっています。どこがかわったのでしょうか。

 

Ⅰ.可視画像がカラーになった!

まず最も分かりやすい進歩として、可視画像がカラーになりました。むしろ、いままでの可視画像はずっとモノクロだったわけです。

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Fig 1. 7月7日10:30(左:ひまわり7号)と11:00(右:ひまわり8号)の可視カラー画像

出典:気象庁 | 気象衛星 

http://www.jma.go.jp/jp/gms/largec.html?area=0&element=1

 

11時を境にして画像が全く別物になっています。テレビでも見慣れた左側の画像に比べてなんか色が薄暗く不鮮明になっているように見えますが、左側が「白黒を見やすいように着色していた写真」だったのであり、右側が本来の地球の見た目です。

カラー化によるメリットはたくさんありますが、具体的なところでは黄砂の誤判断現象に繋がります。従来の白黒画像では黄砂も白く見えるため、大量に飛来する黄砂と雲の区別をするのは難しいことでした。

 

Ⅱ. 鮮明で高頻度の撮影

Fig.1 を見て気づいた人もいるかもしれませんが、カラーになっただけでなく、雲の画像が細かく鮮明になっています。ひまわり8号は7号に比べて解像度が最大2倍になりました。高度36000kmの静止軌道から、地球を1マス500m四方で撮影できます。

さらに、ひまわり7号では地球全体を30分かけて撮影していましたが、8号では10分で撮影できます。それだけにとどまらず日本周辺だけを2.5分ごと、さらに指定した地域も2.5分ごとに機動観測しながら30分で3回地球全体を撮影できるのです。この日本周辺観測と機動観測は従来のひまわりにはなかったので、ざっと3倍以上のスピードアップに成功しています。特に機動観測では台風の動きをより高頻度で追跡することができるため、新たな事実が見つかるのではと期待されています。

文字通りデータの質も量も大幅に向上したひまわり8号の放射計の動きを解説した動画が気象庁サイトの最下部にあります。制御屋さんがんばったなあホント......

気象衛星センター | ひまわり8号・9号 | 放射計 (AHI)

 

Ⅲ.観測の種類

ひまわり8号では、観測する放射計(要はカメラ)の対応する波長の数が大幅に増えました。ひまわり7号では可視1・赤外線4の5バンドだったのに対し、可視3・近赤外線3・赤外線10の16バンドに3倍増しています。

それぞれのバンドがどのようなものを観測しているかは上記と同じ気象衛星センターのページに詳しく載っています。いままでは難しかった雲の厚さや雲頂高度の読み取りの手がかりが大きく増えました。オゾンやエアロゾルなど環境問題にも対応するバンドも増設されていますね。

 

Ⅳ.小型・軽量化、高耐久

これだけの機能向上が行われているにもかかわらず、ひまわり7号に対して重量は約4600kgから3500kgに、展開時の大きさは27mから8mに小型・軽量化しています。さらに耐久年数も10年から15年へと5年も伸びているのです。(待機時間も含む)

ひまわり8号は、来年打ち上げられる同型のひまわり9号と相互にバックアップしながら2029年まで運用される予定です。

 

ひまわり8号のデータはその膨大な量のために全てが無料で公開されているわけではありません。気象業務センターで購入するか、アンテナを立ててひまわりから直接受信することで入手できます。欲しい人はぜひアンテナを立てましょう(笑)

 

・参考

気象衛星センター|ひまわり8号・9号 http://www.data.jma.go.jp/mscweb/ja/himawari89/index.html

三菱電機|観測機能を強化した三菱電機の「ひまわり8・9号」http://www.mitsubishielectric.co.jp/society/space/satellite/observation/himawari8-9_feature.html